foujitatsuの日記

QGISを操作する画面と作成した地図の画像を載せるブログ

コンパクトGIS「地図太郎」へ入門して地理空間情報の利活用を教えられるようにする

 「地図太郎」という日本製のGISソフトウェアがある。このソフトウェアに注目する理由は、教育現場で地理情報をあつかう際に親和性が高いからだ。この親和性の高さは、あくまで、Webサイトや論文の内容を確認してみたところ親和性が高そうだと思える情報がいくつもあることによる。初心者としてQGISの利用を続けてきただけの知識で、地図太郎を事前準備なく操作してみて、このGISのコンパクトさ、扱いやすさを確かめてみたい。(次のリンクは、教育現場での親和性の高さを示す文書の掲載元)

www.mlit.go.jp

 

 このソフトウェアは商用ソフトウェアであり、地図太郎PLUS(記事の掲載時にはv4.62)試用版を限定した期間だけ利用できる。この限られた間に何回か、地図太郎を開いては気づいたことをメモしていきたい。はじめに書籍を紹介しておくと、(2013)『地域支援のためのコンパクトGIS--「地図太郎」入門ーー』東京都内の公立図書館のいくつかに蔵書があった。

www.kokon.co.jp

 

 このページは、画像によるイメージの提供がないページとなる。地図太郎PLUSのメニューより、ヘルプ(H)ー著作権と制限事項のなかに、画像、インターネット公表を禁じる項目があった。著作権を侵害することなく可能と考えられる範囲で、興味をもってもらえるような情報を記したい。『地域支援のためのコンパクトGIS』では、地図太郎の開発元の協力があって、画面の豊富なイメージで説明が行われている。本書での地図太郎のバージョンは、PLUSとなる前で(v6.18)だ。

 

 

コンパクトGIS「地図太郎」へ入門して地理空間情報の利活用を教えられるようにする

 

はじめに

 このページでの地図太郎との向き合い方は、 初等・中等教育の現場を視野に入れた地理空間情報の学習に役立つソフトウェアが、どれぐらいわかり易いものなのだろうかというものだ。このような視点で事前準備なく地図太郎を操作してみた結果、次のふたつに注目できた。ひとつは、地理空間情報の「座標系」を取り除く(なるべく無視できる工夫をする)こと。もうひとつは、利用する地理空間情報(データ)の、GIS用語の基礎知識ありきになる部分を前面に出さないことだ。

 これらの工夫によって、地図太郎はGISの初心者でもわかり易いメニュー構成をつくりあげたといえるだろう。その、もっとも顕著なものが「背景地図(B)」というメニューだ。背景地図の諸々がわかるとは、すなわち、GISの地図のデータ形式について一通りの知識があることになるだろう。

 

 

1.地理空間情報の取り扱いにおいて座標系から解放されるための工夫

 ヘルプ(H)ー著作権と制限事項には、次のような記述がある。(引用元から一部を省略・変更して紹介する)

本ソフトウェアは、投影されていない地理座標系(度単位の緯度経度)データを基本にしています。投影されたデータについては、読み込み時に平面直角座標系から緯度経度に自動変換しています。

 現在は納得するし、わかる記述だが、初学者であればどういうことか疑問が生じるだろう。もうひとつ制限事項があって、これも重要なので引用する。

本ソフトウェアは、世界測地系日本測地系2000)をもとにした座標を想定しています。旧日本測地系(ようするに、古いもの)のデータを扱う場合は、[ツール]メニューの[測地系変換]で、世界測地系に変換してからご利用ください。

 これらの配慮によって、座標系を気にしないで地理空間情報を扱えるのだろう。そして、教える側が座標系について、どのように答えられればよいか考えることができる。また、データを日本測地系から世界測地系へ変換するツールが用意されていることもわかった。

 ヘルプ(H)には「簡易マニュアル」のWebサイトへのリンクになっているボタンや、製品版を購入すると入手できる「ユーザーズガイド」を呼び出したり、ダウンロード元のサイトへ案内したりするボタンがある。初めて地図太郎を起動したら、ヘルプ(H)から押してみることは有意義だろう。

 

 

2.地図太郎におけるレイヤの追加(作成)

 QGISでは、レイヤの追加がはじめにする作業だ。地図太郎でレイヤの追加はどこだろうかと探してみると、ファイル(F)ーユーザレイヤの新規作成(Ctrl+N)だろうとなる。すると、データの種類として、点、線、面、注記(?)を、ラジオボタンにて選べる。レイヤの名称を記入する欄もある。

resources.arcgis.com

 

 地理空間情報におけるレイヤ(Layer:層)と、点(ポイント)線(ライン)面(ポリゴン)について書かれているページのリンクを紹介したが、フィーチャはArcGISで使用される用語で、QGISには出てこない。地図太郎でも今のところ見当たらない。

 

 GISでは、レイヤの重ね合わせで地図を表現しているという説明の書かれたGIS関連の書籍は多い。『地域支援のためのコンパクトGIS』では、そこにふれていない。レイヤの説明にふれず、背景地図(B)や、Webサイト(W)についての説明へすすむ。

 

 地図太郎には、ベクタレイヤ、ラスタレイヤという表記も使用されず、背景地図(B)ーベクタ地図を開く、もしくは、ラスタ地図を開くというメニューがある。(本書においては「ベクトル地図」「ラスタ地図」という表記になっている)

www.esrij.com

 

www.esrij.com

 

  ユーザレイヤの新規作成というメニューは、QGISでいうレイヤの追加とは異なるものだった。そこで、地図太郎についての、ここまでを整理してみると次のようになる。まず、レイヤという用語で様々なものが一括りにされることを避けている。「新規作成レイヤ」と「(ダウンロードしてくる)背景地図」が分けられて、「ベクタ地図」「ラスタ地図」「標高メッシュ」の3つが背景地図に含まれている。

 これらはそれぞれが追加したいレイヤであることに納得がいく。そして、Webサイト(W)メニューの中に、3種類の背景地図と、それ以外のデータをダウンロードするためのサイトへつながるリンクが用意されている。3種類の背景地図について理解することは、地図太郎を操作するうえで避けて通れないGISの知識なのだろう。この3種類について次節で紹介する。

 

 

3.地図太郎で使用する背景地図の種類がみてわかればよい

 

  「ベクタ地図」「ラスタ地図」「標高メッシュ」と地図太郎で表記された分類に、何が属しているのかを明らかにする。その過程で、GISに関連すると思われる用語についてもわからないことが多くあって、今後の課題として残っている。

 

(1)ベクタ地図を開くメニューにあるGISの用語

 メニュー画面のGIS用語と思われる語句を並べた後で、メニュー画面をそのまま転記する。今までの本サイトのどこかのページに記載していないものは、後から確認する。

  1. GML形式
  2. シェープファイル
  3. 経緯度座標系
  4. 平面直角座標系
  5. DMデータファイル(今までのページに記載なし、要確認)
  6. デジタルマッピング(5.の項への括弧書き、要確認)
  7. AutoCAD DXFファイル(要確認)

 これまでDEMの標高データだと思い込んでいたGML形式は、ベクタ地図でもあるようだ。確かに「国土地理院 基盤地図情報 基本項目 GML形式」はダウンロードできて、内容はDEMと同じXMLファイルであったので、後日、地図太郎へ取り込んでみたいと思う。

 

(2)ラスタ地図を開くのメニュー

 ラスタ地図のメニューを開くと、GISについて知らないことが多くあるとわかる。それぞれを後日、確認していくことになる。

  • 国土地理院 地理院地図(手動で読み込み)
  • 国土地理院 2万5千分の1ウォッちず
  • 日本地図センター 25000段彩・陰影画像
  • Google Earth KML ファイル(イメージオーバーレイ)
    ---
  • 位置情報のある地図・航空写真画像(経緯度座標系)
  • 位置情報のある地図・航空写真画像(平面直角座標系)
    ---
  • 地図太郎で画像位置合せをした地図・航空写真画像
    ---
  • 位置情報のない地図・航空写真画像【要:画像位置合せ】
  • 位置情報のない地図・航空写真画像(縮尺あり)【要:画像位置合せ】

 

(3)標高メッシュを開くのメニューと一部機能の実行テスト

 標高メッシュといえばDEMで、本サイトのこれまでのページに記載してきた経緯がある。大量にダウンロードしておいたGML(JPGIS形式のXMLファイル)を開いてテストしてみた。変換してあったGeoTiffファイルを開くことには失敗した。これの理由はわかっていない。

  • 国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)GML形式
    5mメッシュ 10mメッシュ 50mメッシュ 250mメッシュ
  • 国土地理院 数値地図 CD-ROM版
    2mメッシュ 5mメッシュ 50mメッシュ 250mメッシュ 1kmメッシュ
  • 地図太郎用 標高メッシュ形式(*.cze)
    ---
  • GeoTIFFファイル(標高データ)
  • ASTER全球3次元地形データ(ASTER GDEM)

 

おわりに

 地図太郎のはじめての画面操作と『地域支援のためのコンパクトGIS』の参照によって、地図太郎がどういうものなのか、おぼろげながらわかってきた。QGISと比較して述べることがそもそも適当でないかもしれない。地図太郎はQGISの利用を始めたときに苦労したGIS用語の理解を、極力ソフトウェアのデザインで包み、見えないようにしてある。その結果は、冒頭部にファイル形式や背景地図データのダウンロードについての説明がされた書籍の発行につながっているのだと納得した。

 手元にあった大量の基盤地図情報5mメッシュのGMLを、目の前で動作している地図太郎は表示している。ちょっとしたことがやってみてできると、利用していけそうな気がするのは、各GISソフトウェアに共通したことかもしれない。(ここで書いた大量のGMLは、大量すぎたようで、地図太郎がまったく動作しなくなった。メッシュ4つぐらいから試すとよさそうだ。)

 このページでは、初学者が勝手に思いつくまま地図太郎を操作してきた。「地図太郎」をキーワードにして、Webサイトの検索をすれば、予想を上回る数の資料が見つかる。これらの資料も活用して、地図太郎の理解を深める際には、別のページを用意して新たな視点で地図太郎をみる必要があるだろう。